……ああ。どうして……私は、あの人たちが、イーサンたち三人に危害を加える人物であるとわかってしまうんだろう。
「お願い! 早く、早く開けて! 大事な人が死ぬかもしれないんです! お願いします!」
手の痛みを忘れて扉を叩いていると、不意に身体が前のめりに倒れそうになった。
「うるさいねえ……何時だと思っているんだい?」
目を擦りながら出て来た中年女性は、私を見てイライラした調子で言った。
「……すみません! 失礼します!」
私は彼女の横をすり抜けて、建物の中へと入った。わからない。けれど、この建物の中に居る『彼』に私は引きつけられているようだ。
背後で、中年女性が『はあ? なんであんたたちを入れなきゃいけないんだい?』と、私を追い掛けて来た彼らに怒鳴りつけている声が聞こえた。
……ああ。急がなくては。私のことを待って居る人が居るのだから。
階段を上がって、息があがった。けれど、すぐそこに居る人の存在は感じていた。その部屋の扉の前に到着した時、私は胸を押さえた。
間に合った……? 間に合う? お願い。私に触れて、一言だけ。
「ヴァレリオ……」



