ドクドクと……胸を強く打つ鼓動を感じる。

 邸に帰るべきだとは思う。誰かから見れば、ただ悪いように考えているだけのように見えるだろう。

 もしかしたら、あの白い建物の前にたむろしている人たちも、全く関係ないことで居るだけかもしれない。

 けれど、私はどうしても関連付けてしまうのだ。

 ……彼らを狙う誰かが、何かを仕掛けたのではないかと。

 ドクンと心臓が大きく鳴った。

 やっぱり……そうなのかもしれない。私が彼らの『セーブポイント』に選ばれたのは、完全に無作為(ランダム)のことだったとは思う。

 けれど、そこで何かの繋がりが出来たのかもしれない……あれだけ、不思議な魔法なのだ。そういうことがあってもおかしくないと思う。

 あの中に居るという一人の元へ、急いで行かなきゃ。

 そして、自分を守らないと……私は……彼と、彼らの命綱。私さえ生きて居れば、今、どんな窮地に遭ったとしても、助けることも出来るもの!