彼ら三人が凄腕の冒険者であることは、Sランク保持であることからすぐにわかるけれど、あまりにも到達速度が早い気がして。

「ええ。下層はかなり手強いと噂には聞いていましたけど、俺たちの正直な感想は、そこまでではなかったという感じですね。『セーブポイント』もここで使わなかった方が良かったかなと思います。早々にSSランク昇級を果たし、一度はゴールセンへ帰った方が良いですよね。イーサンとレティシア様の婚約の件もありますし……」

 ジョセフィンの『帰る』という言葉から、彼らの拠点はゴールセン王国なのだと知れた。

「そうだな。さっさと終わらせよう。早い方が良い」

 イーサンはそう言ったので、二人は頷いていた。

 今は『レンガ亭』と言う宿屋に滞在している三人は、オブライエン侯爵家で滞在すれば良いと言ったのだけど断られた。

 イーサンは自身が辺境伯となるその時まで、気ままで自由な冒険者で居たいようだった。