***
何かおかしい。呼び出されたからと言われ教室に来たものの、誰も来る気配が一切ない。
しかもなぜこのメンツで呼ばれたのかも分からない。クラブの件で話があるのならアンリも一緒に呼ぶはずだ。勉強の事ならレベルが違うミンス、ましてや学年すら違うフレッドが一緒に呼ばれていること自体がおかしい。
頼みたい事があると誰かから直接お願いされたのはザックとクイニーだ。朝一の授業でミンス、ザック、クイニー、フレッドの四人に頼みたい事があるから昼休憩の時間になったらここの教室に来て欲しいと言われたのだと言っていた。
「ねぇ、本当に教室、ここで合ってるの?」
「間違いないはずだ。だろ?クイニー」
「あぁ、あの人は確かに俺ら四人にここで待っていて欲しいと言ってたぞ」
「そう言えばその頼み事をしてきた人って誰だったんですか?」
フレッドの素朴な疑問にクイニーとザックは頭を悩ませる。
「あー、誰だっけな。名前は忘れたけど、俺よりも背が高くて長髪の…」
「確かアンリ様と同じ演劇の授業を取っていて…、先日の舞台では王子役を務めていた先輩だな」
アンリと同じ演劇の授業を取り、クイニーよりも背が高く長髪の男…。そんな特徴に当てはまるのは、あの人だけだ。クイニーの屋敷で開かれた舞踏会で初めて顔を合わせ、瞬時に生まれて初めて苦手意識を抱いた相手。
男の顔を思い出すと同時に背筋に悪寒が走る。こういう時、ミンスの嫌な予感は大抵当たる。
こんな事をしている場合じゃない。アンリちゃんが危ないかもしれない…。
背後ではザックやクイニーが呼び止めているが、ミンスはそんな事も気にせずに無我夢中で走り出していた。
「アンリちゃん!!」
別館へと真っ直ぐに向かい、三階までの階段を駆け上がり扉を勢いよく開けると寝室の方から男の声と、アンリの悲鳴にもならない叫びが聞こえ、アンリが男に跨がられている姿が目に入る。
「アンリちゃん、ごめん。遅くなっちゃった。でももう大丈夫だからね」
なんとか隙を突いて男を突き飛ばし、ベッドから脱出したアンリは足に力が入らないのか、ベッド脇に座り込んでいる。そんなアンリを受け止め声を掛けるが、目には涙が溜まり、体は小刻みに震えてしまっている。
何かおかしい。呼び出されたからと言われ教室に来たものの、誰も来る気配が一切ない。
しかもなぜこのメンツで呼ばれたのかも分からない。クラブの件で話があるのならアンリも一緒に呼ぶはずだ。勉強の事ならレベルが違うミンス、ましてや学年すら違うフレッドが一緒に呼ばれていること自体がおかしい。
頼みたい事があると誰かから直接お願いされたのはザックとクイニーだ。朝一の授業でミンス、ザック、クイニー、フレッドの四人に頼みたい事があるから昼休憩の時間になったらここの教室に来て欲しいと言われたのだと言っていた。
「ねぇ、本当に教室、ここで合ってるの?」
「間違いないはずだ。だろ?クイニー」
「あぁ、あの人は確かに俺ら四人にここで待っていて欲しいと言ってたぞ」
「そう言えばその頼み事をしてきた人って誰だったんですか?」
フレッドの素朴な疑問にクイニーとザックは頭を悩ませる。
「あー、誰だっけな。名前は忘れたけど、俺よりも背が高くて長髪の…」
「確かアンリ様と同じ演劇の授業を取っていて…、先日の舞台では王子役を務めていた先輩だな」
アンリと同じ演劇の授業を取り、クイニーよりも背が高く長髪の男…。そんな特徴に当てはまるのは、あの人だけだ。クイニーの屋敷で開かれた舞踏会で初めて顔を合わせ、瞬時に生まれて初めて苦手意識を抱いた相手。
男の顔を思い出すと同時に背筋に悪寒が走る。こういう時、ミンスの嫌な予感は大抵当たる。
こんな事をしている場合じゃない。アンリちゃんが危ないかもしれない…。
背後ではザックやクイニーが呼び止めているが、ミンスはそんな事も気にせずに無我夢中で走り出していた。
「アンリちゃん!!」
別館へと真っ直ぐに向かい、三階までの階段を駆け上がり扉を勢いよく開けると寝室の方から男の声と、アンリの悲鳴にもならない叫びが聞こえ、アンリが男に跨がられている姿が目に入る。
「アンリちゃん、ごめん。遅くなっちゃった。でももう大丈夫だからね」
なんとか隙を突いて男を突き飛ばし、ベッドから脱出したアンリは足に力が入らないのか、ベッド脇に座り込んでいる。そんなアンリを受け止め声を掛けるが、目には涙が溜まり、体は小刻みに震えてしまっている。

