もしかしたら、あれだけ言ってしまえば、私はもう何も言えないと諦めると思っていたのかもしれない。ロシュ殿下は話しかけているというのに、今だってこちらを見ようともしない。
「その……正確には、なんて言ったんですか? 振った時の言い方が良くないって……ジェシカ様に、よっぽど、ひどいこと言ったんですか?」
ちなみにジェシカ様は悪役令嬢で、聖女に惚れ込んでしまった婚約者のことを好きで何個か意地悪はしたらしい。
けど、彼女は婚約破棄時に偶然エトランド王国に訪れていた隣国の王太子と今はラブラブな関係だそうだ。
私も遠目でその場を見ていたけど、婚約破棄されたばかりのジェシカ様を颯爽と連れ去っていて本当に格好良かった。
幼い頃からの婚約者を蔑ろにして、一方的に婚約破棄するなんて本当にろくでもない男だと思うし、どうか幸せになってほしい。
あ……目の前に居るこの人が、そのろくでもない男だったんだわ。
婚約者を振り方が良くなかったから運命の人に振られてしまっただけなのに、自分が被害者ですみたいな悲しそうな顔をしているから、そこを忘れてしまうところだった。
「その……正確には、なんて言ったんですか? 振った時の言い方が良くないって……ジェシカ様に、よっぽど、ひどいこと言ったんですか?」
ちなみにジェシカ様は悪役令嬢で、聖女に惚れ込んでしまった婚約者のことを好きで何個か意地悪はしたらしい。
けど、彼女は婚約破棄時に偶然エトランド王国に訪れていた隣国の王太子と今はラブラブな関係だそうだ。
私も遠目でその場を見ていたけど、婚約破棄されたばかりのジェシカ様を颯爽と連れ去っていて本当に格好良かった。
幼い頃からの婚約者を蔑ろにして、一方的に婚約破棄するなんて本当にろくでもない男だと思うし、どうか幸せになってほしい。
あ……目の前に居るこの人が、そのろくでもない男だったんだわ。
婚約者を振り方が良くなかったから運命の人に振られてしまっただけなのに、自分が被害者ですみたいな悲しそうな顔をしているから、そこを忘れてしまうところだった。



