未来に馬鹿なことをしたと思っても、この彼女と恋がしてみたい。

 だから、気がつけばこう言っていた。

「……さてね。それでは、可愛いメイドさん。俺と王族との身分違いの恋をしよう。きっと、これからの人生が楽しくなるよ」

 彼女はパッと顔を真っ赤にしてから、戸惑いながら俺に聞いた。

「えっと……ロシュ殿下。それってもう、決定事項です?」

「そう言えば、君がこれを前向きに考えてくれるならそう言おう。まずは、名前を聞いても良いか?」

 そして、もじもじと俯いたままの彼女がたどたどしく名乗った名前を、俺は可愛い名前だと評した。

Fin