こんなにも……素敵な殿下の頼みならば、私とて聞かざるを得ない。外見も良くて中身も素敵なんて、反則過ぎて……恋の審判はレッドカード出すしかない。

 私が両手を組んで目をキラキラとして彼を見つめれば、なぜかわかりやすく、にやっと悪い笑みを浮かべた。

「……いやー……なんだか、勢いで秘密を明かしてしまったが、不安になって来たな。ところで、お前。先ほど言っていたが、身分違いの恋に興味があるらしいな」

 え? さっきの冗談の話? 確かに……物語としては。私が当事者でなければ……興味はあります。

「あ。そうですね……身分違いの恋に興味はあります。だって、なんだか楽しそうじゃないですか」

 何の話だろうと首を捻りながら私がそう言えば、殿下はそうだろうと言わんばかりに微笑み頷いた。

「俺は王族の身分上、本来なら結婚出来る女を選べないんだが、二人の女に逃げられとても可哀想な状況だから、身分違いの恋をしても今なら国民も納得すると思わないか」

「……え? そうですか。そうですよね……そうですとも。身分違いの恋、私も応援します!」