「待って……! 待ってください……あれが全部が全部。お芝居だったなら、殿下がその後のすべての汚名を一人で着たってことですよね? ……殿下はそれで、良かったんですか? だって……」
彼は損しかしていない。
今、彼は本当に酷いくらいに国民に馬鹿にされていて……けど、それをロシュ殿下自身にそのまま言えなかった私は俯いた。
「俺が少しの間悪く言われるだけで、女性二人が一生を左右するような意に添わぬ結婚から逃れられる……なんてこともない。何を迷うことがあろうか」
私はそれを聞いて、自然と王族に対する礼を取った。
全然、ロシュ殿下は可哀想なんかじゃない。ううん。自分が決めた訳でもない結婚を強制されそうだった可哀想な女性を二人救ってくれたんだ。
「……申し訳ありません。私もすっかり……殿下を誤解していました。貴方は立派です。ジェシカ様とサトミ様のお二人が望まぬ結婚をせぬために、自分は汚名を。国民の指導者として相応しいお方です」
彼は損しかしていない。
今、彼は本当に酷いくらいに国民に馬鹿にされていて……けど、それをロシュ殿下自身にそのまま言えなかった私は俯いた。
「俺が少しの間悪く言われるだけで、女性二人が一生を左右するような意に添わぬ結婚から逃れられる……なんてこともない。何を迷うことがあろうか」
私はそれを聞いて、自然と王族に対する礼を取った。
全然、ロシュ殿下は可哀想なんかじゃない。ううん。自分が決めた訳でもない結婚を強制されそうだった可哀想な女性を二人救ってくれたんだ。
「……申し訳ありません。私もすっかり……殿下を誤解していました。貴方は立派です。ジェシカ様とサトミ様のお二人が望まぬ結婚をせぬために、自分は汚名を。国民の指導者として相応しいお方です」



