「そうか……丁度良いな。実は……元婚約者ジェシカと俺は、あの日あの場所で婚約破棄することを共謀していたんだ」
「え?」
ロシュ殿下が今言ったことを理解出来なくて、彼は何を言ったのかと何度か考えた。
待って待って。今……この人、なんて仰りました?
私の愕然とした表情を楽しむようにしてロシュ殿下は微笑み、涼しい海風が吹いて彼の金髪を揺らした。
「ああ。そうだ。驚かせて済まない。俺たちは元々、婚約解消をしようとしていたんだ。ジェシカが隣国の王太子に恋をした。しかし、王族の婚約者たる公爵令嬢が隣国の王太子と結ばれるなら、それなりの確固たる理由が要る。俺の両親もジェシカの両親も、普通に彼女が望んでも許さないだろうとな」
「そ、それは! そうですけど、でも……!!」
理解が追いつかなくて、私は混乱してしまった。
……確かにジェシカ様も聖女サトミ様も、今はとっても幸せそう。なんなら、あれに関わった登場人物でロシュ殿下以外は幸せそう。
けど……なんで、今……ロシュ殿下だけが一人……悪者になっているんです?
「え?」
ロシュ殿下が今言ったことを理解出来なくて、彼は何を言ったのかと何度か考えた。
待って待って。今……この人、なんて仰りました?
私の愕然とした表情を楽しむようにしてロシュ殿下は微笑み、涼しい海風が吹いて彼の金髪を揺らした。
「ああ。そうだ。驚かせて済まない。俺たちは元々、婚約解消をしようとしていたんだ。ジェシカが隣国の王太子に恋をした。しかし、王族の婚約者たる公爵令嬢が隣国の王太子と結ばれるなら、それなりの確固たる理由が要る。俺の両親もジェシカの両親も、普通に彼女が望んでも許さないだろうとな」
「そ、それは! そうですけど、でも……!!」
理解が追いつかなくて、私は混乱してしまった。
……確かにジェシカ様も聖女サトミ様も、今はとっても幸せそう。なんなら、あれに関わった登場人物でロシュ殿下以外は幸せそう。
けど……なんで、今……ロシュ殿下だけが一人……悪者になっているんです?



