振られた聖女様を、運命の人だと思っていたけどあれは勘違いしていただけとか。自分が振ったはずの元婚約者が幸せになってて、なんか複雑とか。そういう……正直な気持ちを吐き出して欲しい。
ロシュ殿下は私のことをまじまじと見つめて、悪戯っぽく微笑んだ。
わ。可愛い笑顔……え。けど待って。さっきまでの物憂げな彼は、どこに行ったの?
「なあ……口は固いか?」
彼は私に悩みを打ち明ける気になったらしい。そもそもこれをしたかったので、私は頷いて微笑んだ。
「はい! 大丈夫です! どうぞどうぞ。なんでも聞きますし、ここからはロシュ殿下を全肯定します」
私はこれよりどんなにロシュ殿下が最低男なことを言い出しても「そうですか。それは、辛かったですね」と、脳死で言えるモードに移行致します。
ロシュ殿下がそもそも悪いではないかという、正論は正しい。けれど、正論は使い方を間違えると人を傷つける。私は間違えていても、肯定してあげたい。
今だけは彼を慰めてあげたい。
「では……これは、俺はお前だけに言う……絶対に、誰にも言うなよ。今ここで、約束しろ」
ロシュ殿下は私のことをまじまじと見つめて、悪戯っぽく微笑んだ。
わ。可愛い笑顔……え。けど待って。さっきまでの物憂げな彼は、どこに行ったの?
「なあ……口は固いか?」
彼は私に悩みを打ち明ける気になったらしい。そもそもこれをしたかったので、私は頷いて微笑んだ。
「はい! 大丈夫です! どうぞどうぞ。なんでも聞きますし、ここからはロシュ殿下を全肯定します」
私はこれよりどんなにロシュ殿下が最低男なことを言い出しても「そうですか。それは、辛かったですね」と、脳死で言えるモードに移行致します。
ロシュ殿下がそもそも悪いではないかという、正論は正しい。けれど、正論は使い方を間違えると人を傷つける。私は間違えていても、肯定してあげたい。
今だけは彼を慰めてあげたい。
「では……これは、俺はお前だけに言う……絶対に、誰にも言うなよ。今ここで、約束しろ」



