Trap girl


 目が合う。
「何してんの?」
「いや、何も」
 カーソルをクリック、ウェイキンは慌てて画面を切り替える。
 女の顔色が変わった。
「ちょっと、勝手に触らないでっ」
 金髪少女が怒気を顕に突っかかってくる。
「何したのあんたっ!」
「何もしちゃいねぇよッ」
 揉み合う二つのシルエットが、ひっくり返る。
 ドシーン。
 震動一つ。小娘に覆い被さるウェイキン。
「痛ッて……!」
 ムニュゥゥ。
 掌の柔い感触に、ウェイキンはハッと息を飲んだ。
 パッチリした青い目が至近距離からウェイキンを凝視している。 
「……」
 グ――。
 密着する懐に小娘が足を器用に滑り込ませる。
「ぁ……これは、その……」
 釈明に詰まるウェイキンの身体が……ふわりと宙を舞った。
 ドォン!
 巴投げで下からブン投げられ、後頭部を床板に叩きつけるウェイキン。
「……ッ」
「どぉ? 戻った?」
 白目をむき悶絶するウェイキンに、小娘の冷たい言葉が降りかかる。
「戻ったかって聞いてんの。どうなの?」
「……」
 意味が分からず、ウェイキンは仰向けの身体をピクピクと痙攣させる。