ダムッ!!!、ダムッ!! ダムッ! ダム……。
クラブの喧騒から離れ、ウェイキンは、人通りの少ない夜道に身を紛れさせる。
『……』
ザザー。
耳介に装着したインカムトランシーバーは、ノイズの沈黙だけを漏らしている。
ピコン♪ 着信音。折り畳み式端末にメールが一着。差出人はビッグ・ボスだ。
「……?」
ウェイキンの目が点になる。空白メールには地図データが一通添付されていた。
カチカチ、ピッ――。鳴れた手捌きで、ウェイキンは添付フォルダを確認する。
何時も通りであれば発信器の場所は、マップ上に赤い丸印で表示されるハズだ。
「……ん?」
カチカチ――。
確認中、小首を捻るウェイキン。赤い丸印が自分の近傍へと接近してきている。
「……?」
――行幸か? ジュラルミンケースが向こうから近づいてきているという事か?
ジャリ。浮足立つブーツの靴底が、夜の濃霧で湿気を帯びた路面を噛みしめる。
薄明かりの並ぶ街路を抜け、薄暗い公園前に差し掛かろうとした、その時――。
『左よ、ウェイキン!』
それまでノイズ音を発していたインカムトランシーバーが、女の声を響かせた。
クラブの喧騒から離れ、ウェイキンは、人通りの少ない夜道に身を紛れさせる。
『……』
ザザー。
耳介に装着したインカムトランシーバーは、ノイズの沈黙だけを漏らしている。
ピコン♪ 着信音。折り畳み式端末にメールが一着。差出人はビッグ・ボスだ。
「……?」
ウェイキンの目が点になる。空白メールには地図データが一通添付されていた。
カチカチ、ピッ――。鳴れた手捌きで、ウェイキンは添付フォルダを確認する。
何時も通りであれば発信器の場所は、マップ上に赤い丸印で表示されるハズだ。
「……ん?」
カチカチ――。
確認中、小首を捻るウェイキン。赤い丸印が自分の近傍へと接近してきている。
「……?」
――行幸か? ジュラルミンケースが向こうから近づいてきているという事か?
ジャリ。浮足立つブーツの靴底が、夜の濃霧で湿気を帯びた路面を噛みしめる。
薄明かりの並ぶ街路を抜け、薄暗い公園前に差し掛かろうとした、その時――。
『左よ、ウェイキン!』
それまでノイズ音を発していたインカムトランシーバーが、女の声を響かせた。

