近くにポテっと音をさせて、小さな銀竜が落ちた。慌ててジェイドさんが駆け寄り、銀竜を抱きしめた。

 ぐったりしているけれど、パッと赤い目を開けた……生きてる。

 ああ……ゲイボルグは、ジェイドさんの元へ、帰って来れたんだ!

「当分はこのままだ。あまり、無理をさせるなよ」

「……わかった」

 それからの出来事は、あっという間だった。

 ブリューナグは人を操作することが出来る……私だけでなく、ゲイボルグを生ける素材工場として扱っていた奴らも例外ではない。

 すぐにその場に居た集団は、あっけなく制圧されてしまった。

 ブリューナグはそこにあったゲイボルグから取った素材を、売り物にならぬように、丁寧にすべて壊していた。

 その間、ジェイドさんはずっと、腕の中に居る子竜姿のゲイボルグを抱きしめていた。もう何があっても絶対に、離れないと言わんばかりだ。

 ……なんとなく、あんなにもジェイドさんに大事にされているゲイボルグが羨ましくなった。