竜喚び聖女は捨てられた竜騎士を救いたい!

「竜騎士。今、この娘の中にある、君の全ての行動を見た……久方ぶりに、人の子と契約をしたいと思った。それを望むか。望むなら、叶えよう」

 ジェイドさんは目を見開き、申し出を驚いているようだった。

 だって、ここに居るのは、間違いなく片手の指に入るような竜位を持つ名のある竜。それと、契約しようだなんて。

 ジェイドさんは生涯ゲイボルグと、この黒竜二匹としか、契約することは叶わないだろう。私だってそれはそう思えてしまう。それほどまでに、圧倒的な存在だった。

 私は意志に反して滑らかに喋っている自分の口から、手を離した。

「契約を、望みます。俺の竜、ゲイボルグを助けます……どうか、力を貸してください」

 ……そっか。ジェイドさんは今、捕らえられて搾取され続けているゲイボルグを助けることしか頭にない。どんな不利益を被ってでも、彼はそうすると誓ったのだから。

 この黒竜と契約することは、断るなんて選択肢がない。

 契約したいと望むこと、その一択のみ。

「……我が名は、ブリューナグ。この通り、人の子を操ることも出来る。その力、決して悪用してくれるなよ」

「約束します」