いきなり唇を奪ってしまうことになった私の意図を察してくれたのか、動揺しすぎて何も考えられなくなったのか、ジェイドさんは固まったまま動くことはなかった。
待ちわびた到来を告げたのは、激しい風の音だった。いきなりビューっと吹きつけた風に、異変を察した。
私は唇を離し、洞窟の外に拡がる空を見た。澄み渡るような、爽やかな青い空……だったはずなのに、まるでゆっくりと黒に浸食される空。
……え? もしかして……す、すごい竜が……来ちゃった……?
そこに居たのは、翼を広げた見事な黒竜。凄まじいまでの存在感。
ああ。この世界の中でも竜位が、とんでもなく上位にありそうな……そんな強き竜が今、私たちの目の前に居る。
「喚んだのは、お前か」
私は慌てて、勝手に喋り出した自分の口に手を当てた。黒竜が不思議な力を使って、私の身体を使っているみたいだった。
「……そうです」
ジェイドさんは私ではなく、黒竜を見つめ頷いた。
すぐにこれが、私の意志で発した言葉ではないと察したらしい。
待ちわびた到来を告げたのは、激しい風の音だった。いきなりビューっと吹きつけた風に、異変を察した。
私は唇を離し、洞窟の外に拡がる空を見た。澄み渡るような、爽やかな青い空……だったはずなのに、まるでゆっくりと黒に浸食される空。
……え? もしかして……す、すごい竜が……来ちゃった……?
そこに居たのは、翼を広げた見事な黒竜。凄まじいまでの存在感。
ああ。この世界の中でも竜位が、とんでもなく上位にありそうな……そんな強き竜が今、私たちの目の前に居る。
「喚んだのは、お前か」
私は慌てて、勝手に喋り出した自分の口に手を当てた。黒竜が不思議な力を使って、私の身体を使っているみたいだった。
「……そうです」
ジェイドさんは私ではなく、黒竜を見つめ頷いた。
すぐにこれが、私の意志で発した言葉ではないと察したらしい。



