あああ……これはもう、無理でしょう……ここまで来て、私はこの人と無関係ないだとは、もう言えない。

 何を犠牲にしても、自分の竜を助けたいと我慢出来ずに泣いてしまう、ジェイドさんを救ってあげたい。

 そうなの。

 ……私には、そうすることが出来るから。

 もし、ここで彼を見捨てて動かなければ、それはきっと私ではなくなる。

 妙な打算で動いたなら、腑に落ちぬ何かを心に抱き続けて、後悔し続ける人生を送ることになる。

 そうなるのは絶対に嫌だし、乗りかかった船だし、ジェイドさんは見た目も中身も驚くくらい良い男だし。

 ……ええ。まあ、そうですね。参りました。ジェイドさんの魅力とか、人間性に負けました。

 だって、私にはこの人を、助けたい理由しかないよ!

「……あーあ。もうこれで、聖女辞められなくなりました。好きにならせた責任は、ちゃんと取ってくださいね?」

「……え?」