しごく真面目な表情を浮かべたジェイドさんに、私はこくこくと何度か頷いた。

 こ、これって! 軽い気持ちで揶揄えるような、そんな話でもないよ!

 どっちにしてもこれをやるしかないけど、安全に終わらせるために、いろいろと考えてくれた結果! 私はすぐ近くにある彫像のような肉体を前に、胸を高鳴らせたまま、彼が差し出す手首を紐で縛った。

「もっと、固く結んで」

「けど……それでは、解けにくくなります」

 ちゃんと蝶々結びの次にかた結びまで終えているのに、ジェイドさんから、もっと固くしろと言われて私は戸惑った。

「縄は切れば良いから、大丈夫だ。しっかり結んでくれ。よろしく頼む」

「はい!」

 私はジェイドさんの手首を彼の希望通り簡単には解けないくらいに固く縛り、続いて跪いた彼の目に布を巻き付けた。

 半裸の男性が跪き目隠しをされていて、なんとも背徳感を覚えるこの視覚効果。止めてやめて。みだらな絡みなんて、想像させないで。

 これは、職務上必要なことで、二人とも目的に向けての仕事の内よ!

「あの……だ、大丈夫です?」