「……ラヴィ二ア。君には負担を掛けることになるが、すまない」

「いいえ……! 私たちの目的は一致しておりますので、何の問題もありません!」

 ジェイドさんの目的は『何度喚んでも来てくれない竜を喚ぶこと』、私の目的は『ジェイドさんの竜を喚んで聖女を辞めること』なので、ここに居る二人の利害は完全に一致している。

「ありがとう……」

 ジェイドさんはそう呟くと、おもむろに上半身の服を脱いだ。私は顔に当てた両手の指の隙間から、とても見事な肉体美を目にしていた。

 ジェイドさんったら、着痩せするタイプだった! 服を脱げばそこには、鍛え抜かれた筋肉があった。

 少しでも接触面を増やしたいと言った意図を理解しての行動だと思うけれど、下着のみの姿で机の上に置いてあった黒い紐を私へと渡した。

「あ……」

「これで、俺の両手を縛り、跪くから目隠しをしてくれないか」

 そう言われて手の中を見ると、そこには黒い紐と目が隠れる程度の幅広の黒い布が!

「めっ……目隠しもするんですか?」

「そうだ。欲望に駆られて、君を見てしまわないとは言えない」

「わっ……わかりました!」