ジェイドさん、顔が真っ赤になっている。

 別にそれを聞かれたって、こんなところでそんな話をするはずもないし、冗談だってわかると思うけど……真面目な人を、からかい過ぎてしまったかもしれない。

「……すみません。明け透けに言いすぎました」

 手を外して貰って私が反省する姿勢を見せると、ジェイドさんは小さく息をついた。

「すまない。俺の勝手な都合で、君のこと何日間も、待たせてしまい」

「いえ……! それは良いんですけど、あの……大丈夫ですか?」

 彼と数日話しただけだけれど、ジェイドさんは、かなりの堅物なのだ。そういう性的な話題について、抵抗感が凄い。私の勘だけど、多分、おそらく……童貞なのだと踏んでいる。

「考えたんだが、俺は両手を縛って背中を向けているので、君が身体に触れてくれないだろうか」

「……え?」

 並々ならぬ覚悟を持って伝えたらしい、生真面目な表情のジェイドさんに、私はぽかんとしてしまった。