竜喚び聖女は捨てられた竜騎士を救いたい!

「さあな……なんでだろうな。わからない。あいつとの関係が、上手くいっていると思って居たのは、俺だけだったのかもしれないが……わからない。裏切られても信じてみたいという、単なる幻想なのかもしれない」

 悲しそうで、辛そうだ。

 よくない話の流れを変えようと試みて、より駄目な方向に変えてしまったのかもしれない。

 ……信じてるって、喚んでも来ないのは、事実ではないですか。そう思ってしまった。けれど、この人の前でだけは、それを口にしては行けないことだとわかっていた。

 だって、彼は何を失っても自分の竜を待ち続けている。

 早々に諦めた方が良いのに、そうした方が楽だし、幸せになれるのに……それは、本人が一番に、理解をしていることだろう。

「良かったら、もう一曲……踊ります? 久しぶりにこういう場に来たら、踊りたくなっちゃって、お願いします!」

 なんとか空気を変えたくて私が手を差し出したら、ジェイドさんは微笑んで手を取ってくれた。

 夜会で女性からお誘いするのは御法度ではあるのだけど、ジェイドさんなら許してくれるだろう。