準備の良い私は突然男性と仲を深めなければいけない事態もあろうかと、今季流行の形のドレスを早々に購入していたので、水色の可愛い夜会ドレスを着ていた。

 えへへ。似合っていて可愛いねって、そう言ってもらっても大丈夫ですよ……竜騎士が式典で着る正騎士服を引っ張り出して来ているジェイドさん。

 全く褒め言葉くれなくて、なんだかガッカリですけど……見た目は王子様みたいですね。

「私の言い方がどうのと、細かいことを言っている場合ではありません。自分の竜を、喚びたくないんですか?」

「……それは、それはもちろんそうだが」

 私の主張に苦笑いしているジェイドさんの整った顔。何かしら。夜会会場のシャンデリアの反射する光のせいか、やけにキラキラ眩しく見える。

「あ! そういう……女性を虜にすることが目的みたいな、そう言う表情止めてもらえます? うっかりこっちも恋に落ちちゃうので!」

 私が半歩距離を取れば、慌てた彼も半歩後ろに下がった。

「は? いや、自分ではどういう表情かわからないが……君をあまり見ないようにはする」