あんな……自分のドラゴンメイルを完成させたいという、自分勝手な欲求で私とゲイボルグを攫ったんだから、その報いは受けるべきだと思う。

 あと誘拐監禁は重罪認定の犯罪行為なので、いずれは逮捕だってされて欲しい。

 雲の上まで来ると、ゲイボルグはようやく身体を安定させた。そこには、黒竜ブリューナグの姿も見える。

 そっか……あの場所は、気流の乱れで飛べないから、上空で待機してくれていたんだ……。

「ジェイドさんっ……!」

 ゲイボルグの首に捕まっていた不安定な状態からちゃんと騎乗して横抱きされて、すぐ後ろに居る彼に私は抱きついた。

 は~……これですよ。これですよ。ジェイドさんとの抱擁。

 私が心から求めていたものは! これなの!

 はーっと満足気な私にジェイドさんは微笑み、背中をぽんぽんと安心させるように叩いた。

「ラヴィ二ア。わかった。君も何か言いたいこともあると思うけれど、とりあえず、城へと帰ろう。ゆっくり話すのは、それからだ」

 先導するブリューナグを追って、私たちの乗ったゲイボルグも後に続いた。