……大丈夫。この人がそう言ってくれるなら、きっと大丈夫。ここに来ているということは、助ける方法が必ずある。

「は? ……まぁ、それは良いよ。100パーセント、無理だしね」

「男に二言はないな?」

 ヨシュアさんはバカにしたようにせせら笑い、ジェイドさんは彼との約束を、もう一度確認するようにして念を押した。

「ない。ないよ。可哀想に。俺がいくら考えたって、到底無理な話。絶望が過ぎて、少しおかしくなっちゃったのかな。まあ、無理もないね」

 そこで不意にジェイドさんは私を見つめ、顔を近づけて言った。

「まだ、言えてなかったけど、俺は君が好きだ。ラヴィニア……だから、キスをしてくれる?」

「はあー!?」

 素っ頓狂な声をあげたヨシュアさんを完全無視して、私を見つめて近付いた、きらめく青い瞳。

 今居る絶望的な状況なんて、まるでどうでも良くなって……まだ、何かを叫んでいるヨシュアさんの言葉なんて、目に入らなくなって……え。凄い。

 なんだか、幸せ過ぎて、周囲までキラキラときらめいて見えますけど?

 なんとなく、そうなのかも……そうなのかなって思って居たけれど、この人、私のこと好きなんです……? 本当に? 嬉しくて、目眩がしてきた。

 こんな状況の中だけどジェイドさんの首に手を掛けて、私は吸い寄せられるように彼の唇に触れた。