誰かが救助に来てくれると考えるのは、絶望だと言うことなの?

「……あの……どうやって、この隠れ家を、造ったんですか……?」

 だって、ここは信じられないくらいの、難所にあるということだわ。それなのに、石造りの建物はしっかりとしていて、そんな危険な場所で建てられたとは考えにくいのに。

「俺は造ってない。なんか、使えそうな便利な建物があるから、再利用しているだけだよ」

「え?」

 私が彼の言いように驚くと、面白そうな表情になった。

「ここに来たのは、単に偶然なんだよね~。空飛ぶ凧の試作品造ってもらった時、強風が吹いて流れ付いちゃってさ。それから、隠れ家にここを便利に使っている。賞金稼ぎなんて、因果な仕事で、良く恨まれるからさ~。宿に泊まると寝首掻かれるなんて、日常茶飯事だし。こっちも生きて行くための仕事なんだけどね」

「あ……あの、白い三角形の……」

 あんな風に自由に飛行出来る凧は、私も話にも聞いたことがない。

 だから、あれはヨシュアさんが誰かに特注で造らせた、特別な代物なのだろう。