だから、そんな彼が子竜ゲイボルグを自分が欲しがっている素材が手に入るだけのなんでもない存在として扱っても仕方ないのかもしれない。

 けれど、竜騎士ジェイドさんにとっては、ゲイボルグは家族のような存在だ。彼にとってはとても大事で、彼は長年の付き合いのある婚約者と別れたとしても、ずっと来てくれるのを待って居た。

「大丈夫。私が居るでしょう?」

 子竜の姿のゲイボルグをぎゅっと抱きしめると、出し抜けに背後から声が聞こえた。

「優しいね……お姉さん。俺はそういう子、好きだな」

「なっ……!」

 ヨシュアさんが私たちの近くにまで来ていて、じっと観察するように見て居た。

 え……彼が近付いて来るような、そんな気配全くしなかったのに……?

「すごい。目一杯目が開いているけど、大丈夫? まあ、……驚いているね。俺は腕の良い賞金稼ぎだから、気配消すくらい簡単なんだよね~」

 そう言って、高い位置に固定していた白い凧に金具で固定していた網をパッと外した。呆気ないほど簡単に、私たちの外側にパサッと音をさせて網が落ちた。