「俺は男に追われる趣味はないんだけど……来るなら来いよ。逃げはしない。俺たちはここから、移動するだけで」

「ラヴィ二ア。ゲイボルグ……必ず助けに行く。諦めるな。良いな?」

「ジェイドさん……!」

 待って……私、そこの美形竜騎士と、もうすぐ両想いになれそうなんですけど!! 親に挨拶に行くとは言われたけれど『好き』って、まだ言われてないのにー!!

 こんな関係性の今、離ればなれになってしまうとか、あり得ないんですけど!!

「えっ……? 二人とももしかして、恋仲か何か? 嫌だな~、そんな恋人同士から女を略奪するの、俺大好き」

 ヨシュアさんの面白そうな声がそう言い終わるのと同時に、視界にある景色がすべて溶けた。