「えー! イライラしてたら、肌に良くないよ~! 何がなんでも、俺たちを地面に降ろしたいんだね~、んー、どうしよっかな」

「選択肢は一択だ。他に与えるつもりはない」

「格好良い……聞いた? 痺れちゃうねえ。可愛いお姉さんの前で、格好悪いところを見せることになるけど、大丈夫?」

 お二人とも睨み合っての挑発的な物言いですが、ここから何かあって誰かが落ちれば死んでしまうのは……わかっておりますよね?

 特に私とゲイボルグなんて、網に入っているんだから、喧嘩したいのなら、地面に降りてからゆっくりとやってくださいません……?

 身体中を覆う網を掴みながら、私はハラハラしながら、二人のやりとりを見守っていた。

「キュウ」

 ゲイボルグが私に向かって遠慮がちに鳴いたので、何事かと彼を見た。

 そうしたら、もしかしたら、ゲイボルグが網を切っていたのかもしれない。三つくらいの縄が切れていた。あと、同じ数を切ることが出来たなら、私たちが通り抜けられる大きさになるだろう。

「ゲイボルグは、小さくなっても竜だ。心配しなくても良い。必ず受け止める」