翌日の朝、私がジェイドさんの部屋の扉を叩くと、寝ぼけまなこの彼が出て来た。

「おはようございます! ジェイドさん」

 私が明るく挨拶をすると、部屋へと招き入れてくれた彼は、ばつの悪そうな表情になった。水を飲んでいたゲイボルグが私を見て一声鳴いたので、手を振って微笑んだ。

「ああ……おはよう。昨日は、酔っていてすまなかった」

「良いんですよ。昨夜は祝い事の宴会なんですから、主役はああいった感じに飲まされてしまうものではないですか?」

 私は竜喚び聖女として辺境の竜騎士団にも属していたこともあるし、村での祝いの場に良く出くわした。そういう時には、祝われる本人は嬉しそうだけどとても大変そう……そんな風に思って居たものだ。

「いや、俺は自分では酒は強いと思って居たんだが……最近、飲んでなかったから、弱くなってしまったのかもしれない」

 二日酔いで痛むのか頭に手を当てて、ジェイドさんはぼやいていた。