「あの時は……俺のことをなんとも思ってないから言えたけど、今は言えないんだろう?」

 ……!!!!!!!

「ななな、な……なななな!」

 な、何事!? 今までずっと、堅物で真面目だったジェイドさんの周囲に、急に……とてつもなく、色気あるような……そんな……。

「俺はラヴィ二アの恋愛対象ではなかったはずの竜騎士だけど、ここで君にキスをしても大丈夫?」

 はっ……はわわわわわ!! ご自分の顔の攻撃力をわかった上での、色っぽい流し目止めてもらって良いですか?!

「え」

「可愛い」

「し、死にます……う」

 無理……呼吸困難を起こしちゃう……何、何なの!?

 今までが何で、どうだったの!?

 これまでの真面目で堅物のジェイドさん像が……私の中でガラガラと崩れ落ちてしまう、緊急事態が起こっているよ!?

「死ぬのは、困るな」

 余裕も色気もある態度……これまでの、不憫で可哀想だったあの感じ、どこかに忘れてきました?

「ドキドキし過ぎて、死にます……」

 ……ええ。嘘ではなくて、本当に緊張しすぎて息が詰まりそう。