目を開くと背の高いジェイドさんと、パッと目が合った。見上げた彼の青い瞳も、とても驚いてる。

「同じ方法……?」

「あ……多分、その……あのですね」

 私の口から言えない。どうしてくれよう。あの面白がりな黒竜。いつかギャフンて言わせたい。

 ジェイドさんから、目を逸らすしかない。顔が熱い。

 どうしよう。どう考えても、あんなキスなんて……あんな特殊環境でどうしてもってことでもないと、素面(しらふ)では難しいかなって……。

 私は戸惑ってどうしようかと思って、もう一度ジェイドさんの顔を見ると、彼はただ穏やかに微笑んでいた……?

 え? どういうこと?

「ラヴィ二ア。どうしたんだ。いつもの……明るい君らしくないように思うが」

「そっ……それはですね! それはですね……それはですね……」

 ど、どどどど……どう言えば、良いですか?

 いつも通り……? いつも通りって何?

 私は貴方のことをとても好きなのですけれど、お仕事としてキスの方をさせていただいて、よろしいですか……みたいな……?

 そんなこと、通常状態で、言えますか!?