とりあえず、私たち二人はジェイドさんの部屋に場所を移すことにした。

 ……ついこの前来たばかりなのに、なんだか懐かしく思える場所だ。あの時はゲイボルグのことを喚ぼうと必死だった。

 けれど、私たち肌と肌を……ここで。

 あの時のことを思い出した途端に、なんだか、この二人きりの密室が、いやらしい意味を帯びてきてしまった。空気がピンク色に染まったような幻覚見えたよ!?

 だって……だって! あの時はほんっとうに、聖女を辞めるためにどうしても必要と思って、あれをしたのよ。

 いわゆる仕事の一部で、あの行為には能力の必要性しかなくて、お互いの感情はそこにはないの。

 それに……それに!!

 私、ジェイドさんに好きって言ってから、前世の悪事のせいか、全く二人っきりになれなくて……なりたいなと思いながら、数日過ごして来た。

 それで……それで、こんな、いきなり機会が訪れるものなの!?

「……ラヴィ二ア」

「はっ……はひ!」

 しししし、しまった。緊張し過ぎて、声が裏返ってしまった。

 どどどっ……どうなるの?

 私が好きって言ったことに対しての、ジェイドさんの反応はどうなの?

 私は高鳴る胸を両手で押さえて、彼の反応を待った。

「すまない……実は今、困っている。ブリューナグは、君にしか喚び出せないみたいで……」