私が慎重な口振りでそう切り出すと、ギュスターヴは目に見えて動揺した。何も知らない彼だって、人間界で敵とされる魔族がどういう扱いをされるかを知ってはいるんだろう。
「驚いているようだけど、身体から魔力が少しずつ漏れ出ているわ。私も同じように魔力を持っているから、それがわかるの。貴方は魔族なのだから、私以外には決して、名前を明かしては駄目よ……良いわね?」
これは、魔族が人間界に来た時に、一番に教えねばいけないことだ。
父親の魔王は魔族なのに、甘ったれた性格だとギュスターヴを毛嫌いしていたけど、結局のところ、突然変異の魔力を持つギュスターヴは魔界でも最強と言えるほどの魔物となる。
たとえ幼生だとしても、そんな彼を縛れてしまうという危険性は、排除しておかねばならない。
「はい……ですが、僕の名前はギュスターヴです。他になんと名乗れば良いんでしょうか」
ギュスターヴは私の言葉に頷いて、首を傾げて不思議そうに言った。
その時の私は、なんだか、真っ白の雪原の幻想を見たような気持ちになった。
「驚いているようだけど、身体から魔力が少しずつ漏れ出ているわ。私も同じように魔力を持っているから、それがわかるの。貴方は魔族なのだから、私以外には決して、名前を明かしては駄目よ……良いわね?」
これは、魔族が人間界に来た時に、一番に教えねばいけないことだ。
父親の魔王は魔族なのに、甘ったれた性格だとギュスターヴを毛嫌いしていたけど、結局のところ、突然変異の魔力を持つギュスターヴは魔界でも最強と言えるほどの魔物となる。
たとえ幼生だとしても、そんな彼を縛れてしまうという危険性は、排除しておかねばならない。
「はい……ですが、僕の名前はギュスターヴです。他になんと名乗れば良いんでしょうか」
ギュスターヴは私の言葉に頷いて、首を傾げて不思議そうに言った。
その時の私は、なんだか、真っ白の雪原の幻想を見たような気持ちになった。



