恋愛にはてんで鈍感な勇者レックスと、育ち良く清純な聖女エレオノールがお互いに恋心を抱いていることを悟り、私こと勇者の幼馴染デルフィーヌは何も言わずに身を引くことになる。
読者である私たちは、健気なデルフィーヌの切ない恋心が、いつか報われますようにと祈ったものだ。
けど、デルフィーヌは長い長い本編にもそれっきり姿を見せないし、何個かある後日談の番外編にも姿を見せない。
勇者レックスが長い冒険を終えて、故郷の村に帰った時にも当たり前のように居なかった。
そして、彼女が失踪してしまう直接の原因となったレックスも「あいつも、もしかして、誰か良い人見つかったのかな」と、呑気に仲間と話していた。
……私は、その場面を読んで、本当に悔しかった。
最後の扉の鍵を体内に持つ聖女エレオノールの命が救われ、世界を守れたのも全部全部、デルフィーヌがレックスを好きだったから身につけた魔法薬の知識のおかげなのに!!!
レックスは、何も知らない。だからこそ、読者は報われないデルフィーヌのいじらしさに涙してしまった。
読者である私たちは、健気なデルフィーヌの切ない恋心が、いつか報われますようにと祈ったものだ。
けど、デルフィーヌは長い長い本編にもそれっきり姿を見せないし、何個かある後日談の番外編にも姿を見せない。
勇者レックスが長い冒険を終えて、故郷の村に帰った時にも当たり前のように居なかった。
そして、彼女が失踪してしまう直接の原因となったレックスも「あいつも、もしかして、誰か良い人見つかったのかな」と、呑気に仲間と話していた。
……私は、その場面を読んで、本当に悔しかった。
最後の扉の鍵を体内に持つ聖女エレオノールの命が救われ、世界を守れたのも全部全部、デルフィーヌがレックスを好きだったから身につけた魔法薬の知識のおかげなのに!!!
レックスは、何も知らない。だからこそ、読者は報われないデルフィーヌのいじらしさに涙してしまった。



