「……貴方がさみしいなら、一緒に居てあげるから。魔族だって人と共生出来るんだから、一緒に暮らせば良いわ」

「本当に!? ……デルフィーヌが、誰かと結婚しても?」

「だいじょーぶ! 私が結婚するなら、グスタフと一緒に暮らしてくれる人をまず条件にするから、何も問題ないわ」

「良かったー……」

 可愛らしい笑顔で微笑んだので、私はまた彼の頭を撫でてあげた。


◇◆◇


「あー……もう……やっちゃった。これだと上がれないし……どうしよう」

 私はいつもの薬草取りに行っていた時、崖上の道で足を踏み外し、小さな崖から落ちてしまった。

 足をくじいてしまったから、とっかかりを利用してなんて上がれないし……深い森の中で薬草取りの目的でもないとこんな場所に通りかかるはずもない。

 いくら道がある辺りを見上げても、誰も通る訳もない。

 私が薬草取りに行っていることは、家族やグスタフだって知っている。あまりに帰りが遅いと思えば、きっと迎えに来てくれるはずだし……。

「デルフィーヌ! 大丈夫か? 今から、そっち行く!」

「え……レックス!? なんで、こんな場所に?」