「あ。レックス。久しぶりね。どうしたの?」
勇者パーティは勇者レックス含む幼馴染三人なんだけど、彼らはまだ冒険の旅に出発していない。
旅に出ても彼ら四人は、大きな功績で名を上げたりした節目節目に故郷へと何度かは帰って来る。けど、出来るだけ早く魔法薬を作れるようになって、勇者の幼馴染デルフィーヌのお役目を果たして置きたい。
「なんか、最近……付き合い悪くない? 何か気に入らないことあった? 誰かに何か言われた?」
王道ハイファンタジーヒーローらしく、集団の中ではぶれた子も気になってしまうリーダータイプの性格のレックスは優しい。本当に優しくて、彼にはいやらしい下心が見えない。
本当に、誰にだって優しいのだ。にくらしくなるくらい。
けど、私はレックスが可愛い女の子には全員に優しくて、困ったことがあれば率先して助けてくれる男だって知ってる。
私は私にだけ、優しい人が良い。万人に優しい男ではなくて。
「そんなことないわよ。けど、最近将来的なことを考えるようになったの。私も早く一人前になって、お金を稼げるようにならないといけないから」



