ウィィ……ガシュン。ロボバーテンがシニカルな音声で先導する。
『デハ、コチラヘドウゾー』
　カミュをお姫様抱っこしながらレストルームへと導かれるジュン。
「……ぅにゃ……」
「……」
　抱っこしてみた感想はソフト。軽くもないが、決して重くもない。
「よっと」
「……ぅ～ン……」
　――ドゥっ。
　ツインベッドに慎重に寝かせる。乱暴に扱うと後で喧しいだろう。
　間接照明に映える艶っぽい容姿。こうして見ると稀代の美少女だ。
　透き通った柔肌。目鼻立ちの整った小さな美貌はまさに天使――。
「……ぅにゅぅぅ……」
『シバラク、ネカセテオキマショウ』
「あぁ……だな」
　パタン――……。扉を閉めたロボバーテンが仕事場に戻ってゆく。
　七色に移り変わる室内照明は、まるでプラネタリウムに居る様だ。
　ふかふかのベッドで、美少女と二人きりの空間。決して悪くない。
「ぅぅ……ん……」
「……ふぅ……。」
　チラと見やったカミュは既にすぅすぅと可愛い寝息を立てている。
　ベッド脇に凭れ嘆息するジュン。地上の現在状況を知りたかった。
「……ディープインパクト、……か……」
　今のところ揺れは無い様だ。地上掃討作戦は、――やはり中止に？