オォオォオ――……。
ひしゃげた大扉を前に、薄暗い非常通路内で相対する二つの人影。
「カミュ、……話って何だ?」
「ぅん。見せたい物があるんだよ」
屈託ない口調で応えながら、笑顔と裏腹な眼差しがジュンを視る。
「俺に……見せたい物って?」
「まぁ礼拝堂まで歩こっか♪」
「……?」
元来たルートを逆に戻り、すっかり人気のないホールに到着する。
先程まで盛況だった宴会場は、無人で嘘の様に静まり返っていた。
「すっかりもぬけの殻だねぇ~♪」
「……」
黙然とカミュの様子を横目で窺う。相変わらずの無邪気な笑顔だ。
「見せたい物って、……これの事か? 荒れ果てた無人の大広間」
「”もののあはれ”ってーの? 祭りの後の静けさ。好きなんだぁ」
あっけらかんと応えるカミュ。少し前迄の狼狽っぷりは影もない。
「……国防はいいのか?」
「ん? 何ともないって♪ ロックがちゃんとやってくれるよ。大丈夫」
「……あのさ、俺、自分の部屋に行きたいんだけど」
「んー。だったね?」
青い瞳がキョロっとジュンを見据え、茶目っ気たっぷりに微笑う。
「でもその前にー。一緒に来て♪」
「……あぁ」
断る理由は何もない。手を引かれるまま、少女に追従するジュン。
ひしゃげた大扉を前に、薄暗い非常通路内で相対する二つの人影。
「カミュ、……話って何だ?」
「ぅん。見せたい物があるんだよ」
屈託ない口調で応えながら、笑顔と裏腹な眼差しがジュンを視る。
「俺に……見せたい物って?」
「まぁ礼拝堂まで歩こっか♪」
「……?」
元来たルートを逆に戻り、すっかり人気のないホールに到着する。
先程まで盛況だった宴会場は、無人で嘘の様に静まり返っていた。
「すっかりもぬけの殻だねぇ~♪」
「……」
黙然とカミュの様子を横目で窺う。相変わらずの無邪気な笑顔だ。
「見せたい物って、……これの事か? 荒れ果てた無人の大広間」
「”もののあはれ”ってーの? 祭りの後の静けさ。好きなんだぁ」
あっけらかんと応えるカミュ。少し前迄の狼狽っぷりは影もない。
「……国防はいいのか?」
「ん? 何ともないって♪ ロックがちゃんとやってくれるよ。大丈夫」
「……あのさ、俺、自分の部屋に行きたいんだけど」
「んー。だったね?」
青い瞳がキョロっとジュンを見据え、茶目っ気たっぷりに微笑う。
「でもその前にー。一緒に来て♪」
「……あぁ」
断る理由は何もない。手を引かれるまま、少女に追従するジュン。

