わいわい――。会場はすっかりお祭り騒ぎの様相を呈していた。
「ささ、義兄さまも席に着こ?」
「……そうだな」
 カミュの小さな手が、ジュンを手前のテーブルに連行してゆく。
「あぅあ……」
「おぉ……これはこれは」
 そこに鎮座していた細身の男とガチムチ巨漢が面食らっている。
「……カミュ」
 もっとまともな席は無かったのか……非難の眼を向けるジュン。
「私、義兄さまのとーなりっ♪」
 聞いちゃいない……。ジュンの隣を金髪少女が即座に占有した。
「恋人同士だもんねっ♪」
「……」
 聴かなかった事にしよう……。沈鬱な視線をテーブルに落とす。
「……」
 慎重に腰掛けると、ジュンは対面の男二人にそっと眼を向けた。
「ロック、……シェイン。心配かけたな?」
「王子。そなたの復活、私は信じておったぞ」
「あぅあぅあー」
 朗らかな笑みで応じる二人。すり替わりには気付いてない様だ。
「……」
 くるっと顔を向け、ジュンは後方の丸テーブルに眼を奔らせる。
 そこでは、小太りの中年男と金髪の前髪パッツン娘が占拠中だ。
「だぁーかぁーらぁーっ」
「あだだだ……っ!」
 腿をつねられては悲鳴をあげる、血走ったギョロ眼の小太り男。
 甲冑も魔道衣でもないワイシャツ短パンの軽装。召使だろうか。
「まさか……国王?」
「っ?」
 訝るジュンの眼が、小男と諍い中の前髪パッツン娘とかち合う。
「♪」
 ジュンを見据える少女の綺麗な朱色の眼が、ニッコリと笑った。
「ジャンさんっ♪」
 ガタン、タタタ――椅子を蹴飛ばすと、直ぐに駆け寄ってきた。
 小柄な体躯ではあるが、タンクトップに包まれた巨乳が揺れる。
「良かったぁ。戻ってきてくれたんですね?」
「あ、あぁ……確か」
 チラと隣を窺うと、様子を察したカミュが咄嗟に助け舟を挟む。
「レムだよ。三銃士の一人。手出すとキャノン砲で黒焦げだよっ」
 冷ややかな視線。つれない口調でカミュがツラツラと講釈する。
「……キャノン砲?」
 ガンダムの様な荷電粒子砲……な訳がない。カノン砲の一種か?
「ジャンさん。また教会の方にも遊びに来てね♪」
「あ……あぁ。分かった」
「約束だよっ!」
 謎めいた艶っぽい含笑を残し、レムは元居た席へと戻ってゆく。
 肉感的なその背後を見送ると、ジュンは膨れっ面の少女に聞く。
「カミュ……俺、教会に通ってた?」
「知らないっ!」
 カミュが不意に声を荒げた。あからさまに不機嫌顔をしている。
「義兄さまはぁたしの事だけ見てくれてれば……っ」
 ジュンの視線にはっと唇を噛むと、カミュは頬を朱色に染めた。
「もぅ。何でもないっ」
「……」
 膨れっ面で黙り込むカミュを横目に窺い見、ジュンは苦笑する。