カチャカチャ――。白熱灯に朧に照り映えた食器の音が食卓を彩る。
翌夕のアパート。テレビ番組を見ながら夕食を摂るジュンとカミュ。
『昨日、イタリーのサン宮殿で起きた爆破事件では――……』
ザァァ――……。
ニュースで流れているのは、どうも防犯カメラが撮った映像の様だ。
連鎖爆発が起き、絢爛なパーティーが凄惨な紛争地帯と化してゆく。
「ふーん。セレブのパーティーが襲撃された、って事だね?」
「アレはパーティというより、フォーラムって感じだろうな」
ある保養地で国際経済フォーラムと銘打つ年次総会が催されている。
その現場が何者かによって破壊されたとの報道でメディアは大騒ぎ。
「フォーラム? 学者さん達のまともな学会か何かって事?」
「ぅーん……。そうだなぁ……」
総会とは謂うものの、その実体は世界の要人が集う国際的な会議だ。
大企業の経営者や各国の首脳、選出された知識人や財界人等が集う。
経済、技術、環境、エネルギー問題等の議題に関して論ずる討議場。
「名だたる業界人や知識人、総裁や投資家が集まる会合だよ」
「……ふーん。そーなんだ……。なんだか、ややこしいねー」
はぐっ――。
大口を開けてハンバーグを頬張るカミュ。その表情が、綻んでゆく。
「んん~っ。やっぱ美味しい~っ♪」
「良かったな。上手いモン食えてよ」
カミュの満面の笑顔を薄眼に据えつつ、心の隅でほくそ笑むジュン。
スーパーの大安売りで買い溜めたハンバーグだが、役に立った様だ。
『この爆発事故で発生した死傷者はおよそ数百名に及び……』
ジャラララァ~♪
パッと切り替わった画面が、犠牲者と思しき写真と名前を流し出す。
物々しいキャスターの面相も心なしか若干強張っている様に見える。
「でも大変だねー。そんな宮殿ごと壊れちゃったんでしょ?」
「その現地映像を流してンだろ。煙でモヤってて見えないな」
「んー……。ほんとーだ。けっこ~ぅ真っ白だよねェ~……」
カチャカチャ――……。上品な所作が奏でる食器の音が、心地よい。
口をモグモグ動かしながら、カミュが青い眼を凝っと画面に据える。
「あーっ! ねぇほら。今一瞬、誰かの顔が映らなかった?」
「……?」
対面で素っ頓狂な声が上がり、ジュンも自ずと画面へと目線を移す。
ザァァ――。注視するテレビの防犯映像はノイズでジャムっている。
「……ん?」
爆風で舞い上がった硝煙の最中に、一瞬、少女の姿がチラと映った。
金髪をツーテールに結った軽装。ぱっと見、カミュに酷似している。
映像が不鮮明かつノイズの乱れも相まって、総体的に判然としない。
『なお、この犯人と思しき人物の消息は、現在も不明で……』
「……お前じゃ、ないよな……?」
「はぁあ? なんでぁたしがぁ?」
ガバァ――ッ。
金髪ツインテを揺り乱し、カミュが不満も顕わにジュンを批難する。
「知らないっつーの! 確かにちょっと似てたかもだけどっ」
カミュは昨夜アパートで寝ていた。遠方のイタリー等に行ってない。
「……だよな」
「ったり前でしょっ!?」
ガシャンっ! いきり立ったカミュが勢いよくテーブルをぶっ叩く。
アリバイも、ある。何の落ち度もないカミュを疑っても仕方がない。

翌夕のアパート。テレビ番組を見ながら夕食を摂るジュンとカミュ。
『昨日、イタリーのサン宮殿で起きた爆破事件では――……』
ザァァ――……。
ニュースで流れているのは、どうも防犯カメラが撮った映像の様だ。
連鎖爆発が起き、絢爛なパーティーが凄惨な紛争地帯と化してゆく。
「ふーん。セレブのパーティーが襲撃された、って事だね?」
「アレはパーティというより、フォーラムって感じだろうな」
ある保養地で国際経済フォーラムと銘打つ年次総会が催されている。
その現場が何者かによって破壊されたとの報道でメディアは大騒ぎ。
「フォーラム? 学者さん達のまともな学会か何かって事?」
「ぅーん……。そうだなぁ……」
総会とは謂うものの、その実体は世界の要人が集う国際的な会議だ。
大企業の経営者や各国の首脳、選出された知識人や財界人等が集う。
経済、技術、環境、エネルギー問題等の議題に関して論ずる討議場。
「名だたる業界人や知識人、総裁や投資家が集まる会合だよ」
「……ふーん。そーなんだ……。なんだか、ややこしいねー」
はぐっ――。
大口を開けてハンバーグを頬張るカミュ。その表情が、綻んでゆく。
「んん~っ。やっぱ美味しい~っ♪」
「良かったな。上手いモン食えてよ」
カミュの満面の笑顔を薄眼に据えつつ、心の隅でほくそ笑むジュン。
スーパーの大安売りで買い溜めたハンバーグだが、役に立った様だ。
『この爆発事故で発生した死傷者はおよそ数百名に及び……』
ジャラララァ~♪
パッと切り替わった画面が、犠牲者と思しき写真と名前を流し出す。
物々しいキャスターの面相も心なしか若干強張っている様に見える。
「でも大変だねー。そんな宮殿ごと壊れちゃったんでしょ?」
「その現地映像を流してンだろ。煙でモヤってて見えないな」
「んー……。ほんとーだ。けっこ~ぅ真っ白だよねェ~……」
カチャカチャ――……。上品な所作が奏でる食器の音が、心地よい。
口をモグモグ動かしながら、カミュが青い眼を凝っと画面に据える。
「あーっ! ねぇほら。今一瞬、誰かの顔が映らなかった?」
「……?」
対面で素っ頓狂な声が上がり、ジュンも自ずと画面へと目線を移す。
ザァァ――。注視するテレビの防犯映像はノイズでジャムっている。
「……ん?」
爆風で舞い上がった硝煙の最中に、一瞬、少女の姿がチラと映った。
金髪をツーテールに結った軽装。ぱっと見、カミュに酷似している。
映像が不鮮明かつノイズの乱れも相まって、総体的に判然としない。
『なお、この犯人と思しき人物の消息は、現在も不明で……』
「……お前じゃ、ないよな……?」
「はぁあ? なんでぁたしがぁ?」
ガバァ――ッ。
金髪ツインテを揺り乱し、カミュが不満も顕わにジュンを批難する。
「知らないっつーの! 確かにちょっと似てたかもだけどっ」
カミュは昨夜アパートで寝ていた。遠方のイタリー等に行ってない。
「……だよな」
「ったり前でしょっ!?」
ガシャンっ! いきり立ったカミュが勢いよくテーブルをぶっ叩く。
アリバイも、ある。何の落ち度もないカミュを疑っても仕方がない。



