Excalibur



 自分は悪の化身だと思われていただろうし、これからもそうだろう。
 カミュ自身の心境に恐らく何らの変化があったのかもしれない――。
「ん? 考え事もいーけど、早く食べなきゃ冷めちゃうよ?」
「……あ、あぁ。それもそーだな……。今から食べるよ……」
 モグモグ口を動かす。過去を懐かしんだとて進んだ時間は戻らない。
 過去を懐かしんでも今は変わらない。が、――未来なら変えられる。



 カミュとの関係を改善できているし、少なくとも今食事をしている。
 今後の改善次第で、離れていった仲間達も思い直してくれるのかも。
「今までが酷かったもんな……」
「えー? 今さ、何か言った?」



 カミュがジト眼で言及する。独り言が漏れたか……。少し反省する。
「……いや、別に何も? 何も、言ってはいないよ……?」
 頭上に?マークを浮かべ、食事の箸を休ませながらカミュが尋ねた。
「ジュンってば、何時も考え事してるね。哲学者みたい」
「て、哲学者? そんな大層なモンじゃないと思うけど」
「そう見えるって話っ♪」
 くすっと笑うカミュ。金髪ツインテが小さく揺れる様は天使の様だ。



 身近な様でいて、相手との霊質の差がかなり離れているのを感じる。
(……)
 元々は同等だった。ただ、気付いた頃には、自分は相当堕ちていた。
 カミュと同じ場所に戻るには相当の善行を重ねる必要がありそうだ。
(……)
 カチャカチャ。上品な食器の音色がジャズのサウンドに趣を添える。



 他のテーブルを見渡してみる。客層は全体的にまばらで全年齢層か。
 学生層。ファミリー層。高齢層。各年代に応じた会話があるだろう。
「牛さんみたい♪」
「あ? そうか?」
 あー。大きく口を開けてみた。案の定、失笑にも似たクスクス笑い。
 何をやってもカミュには面白く映るのだろう。多分そういう年頃だ。
 何処までがからかわれてるのか、悪ふざけなのか、まるで解らない。
「お前がさぁ、牛みたいだってゆーからだろ?」
「ぁははっ。ごめーん。でも可笑しかったから」
「……あぁ、そぅ……」
 食事を少し上品に摂ってみる。気が休まらないのは、……仕方ない。