キンコンカンコン。放課後のチャイムが鳴る。長閑な黄昏が眩しい。
ドッドッドッ――……。唸る排気音。校門前で待ち合わせの時間だ。
「美香ちゃん。イケメンのお兄さんが来たよ」
「え? あーっ。本当だーっ! わぁーい♪」
――タタタッ。
こちらを見るなり、金髪ツインテの少女が満面の笑顔で奔ってくる。
「初日はどーだった?」
「ぅん。楽しかった!」
こくんと頷く金髪少女。学長から入学許可を得るのは一苦労だった。
先ず身分証明書と診断書。偽造の必要があり、ミシェットに頼んだ。
「んしょ、っと」
「落ちるなよ?」
キュルル――ガォォンッ。
カミュが後部座席に乗ると、ジュンはグリップを捻って空ぶかした。
「でも、どーして一緒の学校じゃないの?」
「……あぁ、それは……、まぁ、その……」
言い淀むジュン。カミュは青凛学園の併設の青凛支援学校に入った。
後ろめたい気持ちを努めて抑え、少女を安心させるべく言葉を選ぶ。

「まだ年齢が満たなかったみたいだよ。その内一緒の学校に入れるさ」
「……ふーん。そーなんだ」
カミュの声の語調がやや落ち込んだ。唇をぐっと噛みしめるジュン。
天界人に基本、年齢は余り関係ないが、カミュは幼い容姿をしてる。
中身もそれなりに幼い為、低年齢層の支援学級が妥当だと判断した。
「あ、あぁ……。そうだよ。だからもう少し気長に待って欲しいんだ」
「わかったーっ。じゃーさ、今夜はどっかお外で食べたいなぁーっ!」
快活な声が背中から飛んでくる。すっかり機嫌を直してくれた様だ。
「だよな。……何処行こっか?」
「ハンバーグが食べたーいっ!」
「ハンバーグ? あぁ。いいよ」
ガロロロ――……。下道での帰宅は時刻が遅くなるが、仕方がない。
確か近くに手頃なレストランがあった筈だ。それに今日はⅩマスだ。
二ムロデを祝うのも馬鹿げてはいるがケーキ屋にも寄って帰りたい。



