「浬」
「は? なっ、ちょっ、ヤバっ、ミルクが喋ったあ!?」
「浬、ボク、言葉をもらったみたい」
「ミルクなに言ってんの? 夢? 現実? わけわかんねぇし!」
猫が突然話しかけたりしたら、そりゃあ驚くよな。
「落ち着いて聞いて、浬。今は、たぶん現実さ」
「現実……」
「本当はずっと人の話す言葉を理解していたんだ。生まれつき備わったボクの能力でもあるんだ。でも、猫だから話す言葉がもてなかっただけ。君の言葉も理解してたよ」
「……それ、ほんとなのか?」
浬は、わなわなと肩を震わせている。
「信じられなくてもいい。でも聞いて、浬。ボクは君に伝えなきゃいけないことがあるんだ」
「伝えなきゃいけないこと?」
浬はダラリとしていた体を起こした。
「浬にこうして言葉で伝えるためにボクはこの世に生を受けたように思う。ボクを救ってくれた萌音ちゃん家族との出会いだって偶然なんかじゃなくて必然だったんだ」
「ミルク……」
「萌音ちゃんは浬のことを大切に想ってる。萌音ちゃんは君のことが大好きなんだよ」
「萌音も俺のことを──……マジかよ……」
「そうさ、浬。だからもっと自信を持って。君は君でいていいんだよ。他の誰にも染まらなくていい。萌音ちゃんは、そのままの君が大好きなんだからさ」
ボクは浬に抱きあげられた。
君が正気に戻ったとき、ボクが話した記憶は消えてしまうかもしれない。
君は、ありがとうって何度もボクに囁いてくれたからそれでいいや。
目覚めると浬の布団の中にいた。
浬はまだ夢の中にいるようだ。
「······ん、ミルク。起きてたんだ。おはよ」
「ニャア(今起きた)」
「よく眠れたか?」
「ニャ(いえす)」
「それにしても不思議な夢だったなあ。しかもリアル過ぎた。ミルクに恋バナしたからかな。お前すげぇし、言葉話すんだもんなー。驚いたぜー」
「ニャン(すげぇだろ)」
「俺、萌音に気持ち伝えることに決めた。だから、ありがとなミルク」
ボクは目を細めた。浬、覚えていてくれた。夢を見たと思ってるようだけど。それでも嬉しい。
浬はボクの頭をそーっと撫でる。気持ちよくて耳を横にたたみ目を細めた。もっともっと──って、浬におねだりした。
「は? なっ、ちょっ、ヤバっ、ミルクが喋ったあ!?」
「浬、ボク、言葉をもらったみたい」
「ミルクなに言ってんの? 夢? 現実? わけわかんねぇし!」
猫が突然話しかけたりしたら、そりゃあ驚くよな。
「落ち着いて聞いて、浬。今は、たぶん現実さ」
「現実……」
「本当はずっと人の話す言葉を理解していたんだ。生まれつき備わったボクの能力でもあるんだ。でも、猫だから話す言葉がもてなかっただけ。君の言葉も理解してたよ」
「……それ、ほんとなのか?」
浬は、わなわなと肩を震わせている。
「信じられなくてもいい。でも聞いて、浬。ボクは君に伝えなきゃいけないことがあるんだ」
「伝えなきゃいけないこと?」
浬はダラリとしていた体を起こした。
「浬にこうして言葉で伝えるためにボクはこの世に生を受けたように思う。ボクを救ってくれた萌音ちゃん家族との出会いだって偶然なんかじゃなくて必然だったんだ」
「ミルク……」
「萌音ちゃんは浬のことを大切に想ってる。萌音ちゃんは君のことが大好きなんだよ」
「萌音も俺のことを──……マジかよ……」
「そうさ、浬。だからもっと自信を持って。君は君でいていいんだよ。他の誰にも染まらなくていい。萌音ちゃんは、そのままの君が大好きなんだからさ」
ボクは浬に抱きあげられた。
君が正気に戻ったとき、ボクが話した記憶は消えてしまうかもしれない。
君は、ありがとうって何度もボクに囁いてくれたからそれでいいや。
目覚めると浬の布団の中にいた。
浬はまだ夢の中にいるようだ。
「······ん、ミルク。起きてたんだ。おはよ」
「ニャア(今起きた)」
「よく眠れたか?」
「ニャ(いえす)」
「それにしても不思議な夢だったなあ。しかもリアル過ぎた。ミルクに恋バナしたからかな。お前すげぇし、言葉話すんだもんなー。驚いたぜー」
「ニャン(すげぇだろ)」
「俺、萌音に気持ち伝えることに決めた。だから、ありがとなミルク」
ボクは目を細めた。浬、覚えていてくれた。夢を見たと思ってるようだけど。それでも嬉しい。
浬はボクの頭をそーっと撫でる。気持ちよくて耳を横にたたみ目を細めた。もっともっと──って、浬におねだりした。

