ボクの名前はミルク。

姿は猫。

神様から猫としての体を授かり、猫として生まれた。

人の言葉を聞き理解する。

でもボクはひとりぼっち。

ママもいない。

パパもいない。

今日もこの暗い箱の中でひとりぼっちのまま。



ねえ、神様。

ボクの願いを聞いてくれるとしたら、いったい何を叶えてくれるのかな。

そうやって記憶のノートに書き残していく。

人間は七夕の日にお星様に向かって、お願いごとをするんだって。

ボクもたったひとつでいいから、

たった一度だけでいいから、

願いを叶えてみたいな。


──君のために、たった一度の奇跡を起こしたい。