次の日、夜会に出席する休みにするために、仕事を出来るだけ片付け、いつもより遅い時間に帰って来たらしいジョサイアは、私が準備万端整えても、まだ起きる様子はない。

 そんな激務を乗り越えてきた人を、起こす気にもならず、私は久しぶりに朝食も一人で食べた。

 いきなり結婚したとは言え、弟のアメデオになにもかも任せっぱなしだったと反省した私は、目立たない馬車を用意させると、自分の事業のため買い取った農園に赴くことにした。

 秋に入って、すぐ結婚式で多忙になった私が気がつかぬ間に、季節はもう既に冬へ。冷たい空気の中で、柔らかな暖かい日差しが、緑の葉っぱの間から漏れ注ぐ。