真面目なジョサイアは、あまり感情を表に出すような人ではないけど、毎日こうして彼を見ていると就寝で取り切れない疲れが流石に感じるようになっていたからだ。

「レニエラ。僕たちは結婚したというのに、一度もデートも出来ていませんね。仕事とは言え、本当に申し訳ない。もし良かったらどこか行きたいと思っているところは、ありますか?」

 朝食の席でジョサイアに問われて、私はどうしようかと考えた。

 契約結婚とは言え、私たちは正式に結婚したのだから、それなりに上手くやっているというところを周囲に見せることは必要はあるのかもしれない……いえ。上手くやろうと試みたところ、かしら。

 どうせ、結果的には私たちは離婚するのだから。

 けれど、どんな人が評しても、ジョサイアはあまりにも働き過ぎだと思ってしまうはず。一日十六時間以上は働いているだなんて、本当に信じられない。

「いいえ。お仕事ですもの。仕方ないわ。私のことは、別に気にしなくて構わないわ。ジョサイア。久しぶりの休日ですもの、ゆっくりと部屋で寛いで休んでみてはどうかしら?」