真面目なジョサイアは何年も婚約状態にあったオフィーリア様との結婚は、責任を取らなければならないと考えていたはずだし、もし、私だって双方共に婚約者の居る状態で……なんて、社交界の噂の格好の餌食になってしまっていただろう。

「……そうですよね。だから、そういう意味で、オフィーリアが一番の功労者ですね」

 ……あ。そうだった! ジョサイアにも、私が彼女にとてもお世話になっていることを、伝えなければ。

「ねえ。ジョサイア。私が売りだそうとしている精油なんだけど、サンプルをお送りした時にオフィーリア様が出してくれた案で、お店でお客様に香油を混ぜてもらうことにしたの……そうしたら、お客様それぞれで、自分の好きな香りになるでしょう?」

 果実の花から作られる精油は、そのまま使うと香りが強すぎる。私は何種類か作ってそれを売り出す予定だったんだけど、彼女からの提案で、定番品の他にもオーダーメイド出来るならもっと良いと提案された。

 だから、お客様ご本人の好みで他の香油と混ぜて化粧水にしてもらったりと、独自のレシピで売り出すことにしたのだ。