「……すみません。なんとも思って居ない女性には、別になんとでも……どんな褒め言葉でも、すらすらと言えると思うんですけど……レニエラに対しては、思って居るそのままを伝えようとすると、なかなか難しくて……」

 なんだか可愛い言葉を言い出した背の高い夫に近付き、私は彼の整った顔を覗き込んだ。

「まあ……ジョサイア。私はいくらでもどこでも褒めてくれて、構わないわ! もっともっと、より心のままに正直に褒めてくれても構わないわよ?」

 顔を赤くしたジョサイアを揶揄うようにしたら、より彼は照れてしまったようだ。

「君と結婚するまで、誰にも明かしたことのない想いで……君にも伝えることはないだろうと、そう思っていました。それが今、本人が目の前に居るんですよ?」

 ああ……そういえば、彼は私への想いを心にしまったままで、オフィーリア様と結婚してしまうつもりだったのよね。

「そうね……けど、あの時の私はもし、貴方から告白をされても、きっと断っていたと思う」