そうよね。カルムだって、さっきの場所に居たのかしら? ショーンから一刻も早く離れたい一心で気がつかなかったわ……苦労して助けてくれたんだから、お礼を言わなければ。

「ああ。カルムのことかしら? そうね。仲良いわね。彼は私の家で産まれて育ったから……まるで、可愛い兄のようだったわ」

 可愛らしい顔を持つカルムは、本当に温厚で感じが良い。ジョサイアも同じようにそう思ったのねと、私は微笑んだ。

「……僕から見ると仲が良すぎなような、気もするけどね。良く農園にも通って居たようだし……」

 私はジョサイアが恥ずかしそうに言ったことに、何を言い出したのとすぐには理解出来ずぽかんとしてしまった。

 これは、やきもちよね……ジョサイアが、わかりやすく顔が赤い。あまり言いたくはないけど、私に言いたかった?

 あ。これって……もしかして!

「ねえ。ジョサイア。離宮に行く前に私が農園に様子を見に行ったりすることを……聞いていた?」

「ああ……気を悪くするかもしれないけど、君の行き先はずっと逐一報告するようにしている」

 前に離宮で言った「行かないでくれ」は、カルムとの仲を誤解して?