けれど、ショーン一人だけが悪い訳でもないし、彼から見れば私だって悪いところはあったはずだ。

 私はショーンに関して、自分が何を言っても話が通じないと諦めていた部分があった。本来なら、お互いに話し合うべきだったのかもしれない。

 結婚するのなら、見て見ぬふりで不利益を被るのは、自分のはずなのに。

 もしくは、オフィーリア様のように、自分に向かい合って話すように仕向けたり働きかけるとか……色々とやりようはあったはずだ。

 関係を繋ぎたいと考える、お互いの努力が足りなかっただけで、今思うとどちらも、そう悪くはなかったのだろう……私を誘拐するまではね。

「レニエラ。先に馬車へ乗ってください。とにかく、王都へと戻ります」

 短く私に告げたジョサイアは、物々しい騎士何人かが集まった辺りに、何かを指示しに戻ったようだった。

 ジョサイアが乗り込んだ途端に、馬車は走り出したからそういう指示をしていたのだろう。

「……ジョサイア。どうして、ここに私が居るとわかったの?」

 私が隣の席に座っていたジョサイアへそう聞くと、彼は意味ありげに微笑んだ。