行き当たりばったりの行動しかなしないお馬鹿さんなのに、私が王家の血を引くモーベット侯爵の子どもを身ごもっていると聞いて、ようやく事の大きさが理解出来たのかしら?
まあ、彼の予想通りに私たち夫婦はまだ、子どもの出来るようなことはしていないんだけど。
「嘘をついているのは、そっちでしょう! 私が何も言わずに、いつまでも我慢していると思ったら、大間違いよ! 王都に私を帰しなさい。いいえ。ここに置いて行ってくれたとしても、構わないわ。貴方と一緒に居るなんて、暗い夜の森に取り残された方が、まだましだから」
「レニエラ……お前」
「ねえ。私は貴方の自尊心を保つための、何も言わないお人形でもなんでもないのよ。ショーン。私たちは無関係で他人なの……貴方が婚約破棄をしてくれた、あの夜からね」
ショーンは気に入らないのか、目の前の私を睨み付けるばかりで、馬車の中はやけにしんとしていた。私に口答えされて、さぞ苛々していることと思う。
まあ、彼の予想通りに私たち夫婦はまだ、子どもの出来るようなことはしていないんだけど。
「嘘をついているのは、そっちでしょう! 私が何も言わずに、いつまでも我慢していると思ったら、大間違いよ! 王都に私を帰しなさい。いいえ。ここに置いて行ってくれたとしても、構わないわ。貴方と一緒に居るなんて、暗い夜の森に取り残された方が、まだましだから」
「レニエラ……お前」
「ねえ。私は貴方の自尊心を保つための、何も言わないお人形でもなんでもないのよ。ショーン。私たちは無関係で他人なの……貴方が婚約破棄をしてくれた、あの夜からね」
ショーンは気に入らないのか、目の前の私を睨み付けるばかりで、馬車の中はやけにしんとしていた。私に口答えされて、さぞ苛々していることと思う。



